外部の視点と住民の目線 2012年私が見た美しい風景ランキング第一位 唐津の朝焼け
2012年私が見た美しい風景ランキング第一位は、講演に訪れた際、佐賀県唐津市で見た朝焼けの美しさです。
日の出前、まだ暗かった空の色が刻一刻と変化し、やがて真っ赤に燃えるような空が広がりました。玄界灘へとつながる唐津湾の海の色も陽の光を受けて変化を重ね、朝日が昇ると真っ赤に染まっていったのです。
そんな空を撮影した画像を講演会で紹介すると、地元の方からは「久しぶりにきれいな朝日を見た」との感想をいただきました。
地元にいると、生まれた時から毎日、目にする風景はいつしか見慣れてその価値が分からなくなってしまいます。
まちづくりやものづくりに外部の視点が必要とされる所以です。
一方で、旅の人が「これは美しい。だから守るべきだ」と簡単に口にすることはできても、生活する住民にとっては、日々の生活が第一です。
先人から教わった「旅人は『紅葉が美しい』と言うが、落ち葉を毎日履いている住民がいることを忘れてはいけない」という言葉。
まちづくりやものづくりには、外部の視点と住民の目線のバランスが大切です。
佐賀県唐津市の朝焼けと海の美しさは、「旅の人」にとっては、鮮やかな記憶となって残りました。
ある民間調査機関の調査では、魅力度が全国47都道府県中46位の佐賀県でしたが、こんな素敵な資源がありながら、知られていないのだなぁとも実感したのです。一眼レフを持参しなかったことが悔やまれますが、この写真を見て感動して佐賀県に立ち寄っていただければ、一宿一飯のお世話になた当方としては幸いです。