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取材、デザイン、時々コーヒーやカメラに思いを巡らせる毎日。

石川県中央公園の再整備で思い出したこと

$金沢でデザインを考える クリエイティブディレクター加茂谷慎治のアメブロ-県庁跡地周辺整備


金沢市にある県中央公園の再整備をめぐって、一部樹木の伐採に反対する市民による反対運動が地元メディアに取り上げられていました。

県中央公園の言葉を連日、目にする中で、県庁跡地周辺の整備について、ふと思い出したできごとがあります。

今から20年以上前、県庁を広坂から移転する構想に端を発し、県庁移転に関する基本構想特別委員会が設置され、2003年に県庁が現在地に移転しました。この時から、県中央公園の再整備も県庁移転跡地等検討懇話会で議論されてきたのでした。

県庁移転については、中西陽一前知事が移転を表明した当時、地元の商店街も巻き込んで反対運動が起こりました。そんな中、中西前知事に話をうかがった時のことが思い出されます。中西前知事の話というと随分昔の話のように思われますが・・・。

中西前知事は、「私は県庁を移転しても、中心部ににぎわいが残るようにしたい。この県庁舎は壊さずに、サナトリウムにして、県民に親しんでもらえばいいと思っている」と切り出しました。
「えっ、サナトリウム?! 療養所にするんですか」。
驚きの声に対して、中西前知事は「うんっ、あーん、サナトリウム。療養所じゃない、何だ。ガラス張りのほらっ」。
「あっ、アトリウムですね」というと、中西前知事は「そう、そう」ととぼけた表情に。

戦後31年間にわたって石川県知事を務めた中西氏。私がお話しする機会を得たのは、最晩年。県庁跡地の整備というと、当時、まだ駆け出しの私が体験したユーモラスなやり取りがいまも思い出されるのでした。