「世界から猫が消えたなら」(川村元気氏著)
村上春樹氏の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」に続いて、読んだ小説が「世界から猫が消えたなら」(川村元気氏著)。
軽い小説が読みたいと思い、手にとってみたのでした。表紙には猫の写真。川村氏は映画プロデューサーであり、軽妙な文体でさっと読むにはいいかなと軽い気持ちでページをめくっていくと。
村上氏の小説のテーマであった「人の生死」が、そのままこの小説でもテーマになっていたのでした。
最近ふと、人の一生というものをぼんやりと考えるようになってきました。この年齢に至るまでに、すでに人生を終えた同級生もいれば、後輩もいます。来年、齢五十を迎える自分にとっても、なんだか遠い未来の話ではないのかも知れないなあと。
「世界から猫が・・・」の後段にこんな一節が。
「僕の葬式。
僕の枕元に集まる人はどんな人たちだろうか。
(中略)
そのなかで僕の死を心から悲しんでくれる人は、何人いるのだろうか。
(中略)
そして僕の枕元で、彼らは僕の人生についてどう語るのだろうか。」
読み終えて、本のカバーを外すと、そこには、表紙デザインとはまったく異なる黄色地のデザインが現れます。ヤシの木やサーフボードなどアロハ柄。なんでアロハ柄なのかは、読んでみてのお楽しみです。