司馬遼太郎記念館
ものを書くことに携わる者として
大阪へ出向いた際に、足を延ばして司馬遼太郎記念館へ。
今回が二度目の訪問。
新聞記者から作家に転じて、日本人と歴史を追い求め続けた司馬遼太郎氏。
梅雨の晴れ間の蒸し暑い日、駅からは少し離れた記念館まで汗をかきながら到達。
執筆、創作活動を重ねた書斎もそのままに
司馬氏が愛した雑木林風の小さな庭
時空の旅人として、取材と著作を重ねた司馬氏の書斎が執筆されていた当時のままに保存されている。
建物の周囲は、司馬氏が愛した雑木林風の小さな庭が広がっており、コナラやクヌギなどの木々と草花が季節を感じさせてくれる。
緑を好んで鳥や蝶も集まってきており、自然を感じさせてくれる一方で、当然のように蚊も多く、庭を見学している間に、刺されてしまった。
司馬氏自筆の歌碑も移設されて、来館者を見守ってくれる。
安藤忠雄氏の設計による記念館
館内には司馬氏の蔵書も並び、安藤忠雄氏の手による設計は、コンクリート打ちっ放しの建物で、外壁はゆるやかな曲線を描くシンプルな構造。
「竜馬がゆく」、「坂の上の雲」 節目に手にしてきた作品
「記念館」の名称ながら、アーカイブや名所というよりは、禅寺のように考える空間となっている。
中学生の時に読んだ「燃えよ剣」、高校時代に読んだ「竜馬がゆく」、学生時代に読んだ「世に棲む日日」、社会人になってから読んだ「坂の上の雲」。
思えば、節目節目で作品から、大きな影響を受けてきた。
文豪には及ぶべくもないが、ものを書くことに携わる者として、この空間に身を置くと心が研ぎ澄まされる。
次はいつ訪れようか。