Design + Blog

取材、デザイン、時々コーヒーやカメラに思いを巡らせる毎日。

コーヒーと本

 

コーヒーと本、コーヒーと文学は相性が良い。

 

書店で目にして、すぐに買い求めた一冊。

 

「こぽこぽ、珈琲」(河出書房新社

 

著名な作家によるコーヒーエッセイアンソロジー

 

寺田寅彦吉田健一、團伊玖麿、野呂邦暢といった学生時代に必要に迫られて読んだ作家の作品から、片岡義男村上春樹ら没頭する作家の作品まで。

 

ヨーロッパのコーヒーの淹れ方から、戦前戦時中の話。いつの時代もコーヒーは、「ブームである」と書かれているのがなんだか楽しい。

  

コーヒー豆のことは英語でもコーヒー・ビーンズと呼ばれている。しかしあれは豆ではない。    片岡義男「一杯だけのコーヒーから」

  

こんな出だしの文章は書けない。しびれる。

 

コーヒーを飲もう。

コミュニティカフェを舞台にしたお芝居

コミュニティカフェを舞台にした演劇を制作したい」。

 

京都の劇団の方からお話があり、お役に立てればと協力させていただきました。

 

さまざまな人が集い、場所と時間を共有する中で、さまざまなドラマが展開される。

 

そんな地域の居場所、まちの縁側となるコミュニティカフェで繰り広げられるドラマが演劇人の目を通して表現されます。

 

上演される芝居は、京都の劇団ソノノチによる「いられずの豆」。

 

上演までの間、もう少しお手伝いをさせていただきます。

雪見カフェ・オ・レ

 

相変わらず降り続く雪。

 

世の中は休日。

 

来客もアポイントメントもないこんな日は外出もせず

終日こもって書類作成と原稿書き。

 

いやになるほど雪を見る毎日。

 

牛乳もあったので、カフェ・オ・レを作って、

ベランダから雪を見ながら味わってみた。

旅先のカフェにて その2

新しい居場所をデザインする仕事で伊豆半島、伊東へ。

 

うんざりするほどの雪に包まれた北国からの移動には、青い空、きらめく海、穏やかな気候が心地よく。

 

仕事が終わり、電車に乗るまでの時間があり、駅前のカフェに。

 

旅先で、初めて入るカフェ。

 

どんな雰囲気なのか。どんなコーヒーを出してもらえるのか。

 

大手チェーンでは味わえない緊張感も少々。

 

 

腰を落ち着けたのは、備屋珈琲自家焙煎工房。

 

伊豆を中心に、鎌倉、湘南、恵比寿でも店舗を展開されているよう。

 

シックな店内には、焙煎コーヒーの香りが漂い、ゆったりと時間が流れる。

 

旅先で初めてのカフェに入る時、寅さんの映画ならばこんな場所でマドンナと出会うのかと妄想してみたり。

 

伊東には、また訪れる予定。再度足を運びたくなったカフェ。

白山検定 取材で学んだこと

昨年取材を担当した「白山検定 参考書」(白山市観光連盟発行、北國新聞社発売)。

取材の醍醐味は、未知の領域へと踏み出すことです。

分かりやすくいえば、新たなことを知ることにあります。

 

白山市を取り巻く歴史上の人々の取材。

加賀の千代女や暁烏敏ら著名な人物だけでなく、新しい発見や学びがありました。

 

依頼者から示された候補者の名前には仏教哲学者「鈴木大拙」の名も。

えっ、大拙は金沢生まれでは。

恥ずかしながら、大拙白山市の関わりを今回初めて知りました。

 

金沢にあった旧制四高を退学した大拙が仕事を求めた先が、美川小学校だったそうです。

代用教員として、旧美川町の寺に下宿しながら、勤務する学校に通ったのだとか。

 

在職中には母親が亡くなっています。その後、職を辞して上京、東京帝国大学へと進んだのでした。

 

下宿していた德証寺には今も大拙の記念碑があり、梵鐘には大拙の手による銘文「The Bell of Peace & Liberty(自由と平和の鐘)」が刻まれています。

珈琲が呼ぶ

 

学生時代に読みふけった赤い背表紙の文庫本。

 

青春だった片岡義男氏の作品。

 

風を感じたくてバイクに乗り始めたのも彼の作品を読んだから。

 

山奥にある風呂で、長い髪の素敵な女性と出逢えると思ってツーリングにも出かけたな。

 

大人になって、「コンバーチブル」の車の助手席に女性を乗せて走るんだと思っていたのですが

 

いつしか、登場人物よりも年齢を重ねて、作品を手にする機会も減っていきます。

 

「ホテルの部屋にチェックインすると、ベッドサイドの電話が鳴った」とか、「待ち合わせ場所の駅に彼は来なかった」とか。

 

携帯電話がまだない時代の大人のロマンティックでした。

 

コンビニは都会にしかなく、一杯100円のコーヒーも登場せず、コーヒーチェーン店もなかった時代。

 

コーヒーは粋な大人の、おしゃれでちょっと切ない飲み物だった時代です。